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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻4号

2006年08月発行

文献概要

特集 脳科学が求める先端技術

創薬研究におけるハイスループットスクリーニングの役割―中枢神経系疾患治療薬探索を例に

著者: 樽井直樹1 木村宏之1

所属機関: 1武田薬品工業(株)医薬研究本部探索研究センター

ページ範囲:P.246 - P.252

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 医薬品の多くは疾患の原因となる標的分子(創薬ターゲット)に作用し,その機能を阻害または活性化することにより薬理効果を示す。つまり,新薬創製は創薬ターゲットを選択し,それに対して作用する化合物を発見することから始まるといえる。最近のゲノム研究およびポストゲノム研究の進展により,創薬ターゲットの数は増加し,一方,創薬ターゲットに作用する化合物を見つけ出すため,膨大な数の化合物(ライブラリー化合物)がコンビナトリアルケミストリーなどの技術によって合成されてきた。そこで,様々な創薬ターゲットに対しライブラリー化合物の中から目的とする化合物(ヒット化合物)を迅速かつ効率的に見出すシステムが求められるようになった。

 このような背景のもとで,近年急速に発展してきたのがハイスループットスクリーニング(High throughput screening:HTS)であり,現在ではほとんどの製薬企業の創薬プロセスにおいて必須のものとなっている。さらに最近では,上市までの成功確率を上げるために化合物の薬理活性評価にとどまらず,吸収・分布・代謝・排泄・毒性(absorption・distribution・metabolism・elimination・toxicity:ADMET)や物性のプロファイルも加えた総合的なHTSが行われるようになってきた(図1)。本稿では,HTSの概略を述べた後,中枢神経系疾患治療薬探索を例にHTSの具体例を紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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