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特集 脳科学が求める先端技術
マルチニューロン活動とブレイン-マシンインタフェース
著者: 櫻井芳雄1
所属機関: 1京都大学大学院文学研究科心理学研究室,CRESTプロジェクト
ページ範囲:P.292 - P.297
文献購入ページに移動 脳の情報処理の実態を知るためには,実際に情報処理を行っている脳,すなわち行動している動物の脳を対象とし,その神経回路網の活動を記録し解析しなければならない。そのためには,回路網を構成する多数のニューロン活動を同時かつリアルタイムに記録することが不可欠であり,その唯一の方法がマルチニューロン活動の記録法である。この方法は神経科学の先端技術の一つであるが,必ずしも高価な装置や材料が必要なわけではなく,手作業による技術開発が基本であるため,個人の研究者でも高度な方法を開発し活用することができる。すなわち,多額の予算と多人数の研究チームを基本とする現代の神経科学において,職人的神経科学とでも呼ぶべき個人研究が可能な魅力ある方法である。本稿ではまず,マルチニューロン活動の記録法について簡単に解説し,次に,それを工学・医学分野へ活かす新しい研究であるブレイン-マシンインタフェース(brain-machine interface, BMI)について解説する。
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