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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻4号

2006年08月発行

文献概要

特集 脳科学が求める先端技術

精神疾患の動物モデル

著者: 澤明1

所属機関: 1Johns Hopkins大学医学部精神医学部門神経科学部門細胞分子医学部門

ページ範囲:P.298 - P.304

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 これまで精神疾患は,その生物学的実態,特に生物学的実態を支えるところの遺伝子やタンパクといった分子情報が全く欠けていることから,それらを科学の言葉で語るのが難しいとされてきた。ほかの医学疾患では,分子生物学をベースとした病理学が病態理解の中心となり,それぞれの疾患の責任遺伝子,そして病気と直結したそれらの変異体をベースとした遺伝子改変動物(ノックアウトマウス,トランスジェニックマウス)などが作られ,それらが病態の理解,そして治療法の開発,ドラッグスクリーニングなどに大きな役割を果たしてきた。

 少なくとも神経変性疾患(アルツハイマー病,パーキンソン病など)については,1990年代に家族性のそれらに対する責任遺伝子が見つかり,これらの遺伝子情報をベースにしたマウスが病態の理解を爆発的にもたらし,脳神経疾患もやはり,遺伝子改変モデルマウスをベースとした病態理解や治療法の開発ができるのではないかという期待は高まっていた1)

参考文献

282:1079-1083, 1998
32:9-16, 2006
5:101-106, 2005
3:98-104, 1995
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71:877-892, 2002
35:84-89, 2003
7:1167-1178, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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