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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻4号

2006年08月発行

文献概要

特集 脳科学が求める先端技術

超高磁場脳機能画像

著者: 程康1 上野賢一1 田中啓治1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター認知機能表現研究チーム

ページ範囲:P.305 - P.309

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 機能的磁気共鳴画像法(fMRI)は,ヒトの脳機能を調べる手法の中で最も重要な位置を占めている。最近開催されたヒトの脳機能に関する二つの国際学会(Annual Meeting of the Organization of the Human Brain Mapping, トロント,カナダ,2005年6月,Annual Meeting of the Society for Neuroscience,ワシントン,アメリカ,2005年11月)では,報告されたイメージング研究の大多数がfMRIを用いたものであった。毎年1000を超えるfMRI研究論文が発表され,感覚・運動機能から高次認知機能1)に至る多岐にわたる神経科学の問題を扱っている。

 fMRI研究が神経科学の中で重要な役割を果たすようになるのと平行して,fMRI研究の中では低磁場から高磁場(4テスラ以上)への移行が進みつつある。数年前までは,4テスラ以上の装置は,理化学研究所脳科学総合研究センターに設置されたものを含めて,世界中で数ヵ所に存在するだけであった。今日では,新潟大学に設置されたものを含めて,世界中で20台余りの7テスラ装置がすでに稼働中あるいは導入作業中である。ごく最近には,ミネソタ大とイリノイ大に9.4テスラの装置が導入され,高解像度の解剖画像を得ることに成功している。フランスでは大規模プロジェクト(NeuroSpin:http://www.meteoreservice.com/neurospin/)が推進されており,11.7テスラ装置をはじめとする数台のヒト用MRI装置と,最高17テスラの装置を含む多数の動物用MRI装置の設置が予定されている。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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