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特集 生物進化の分子マップ 6.核
羊膜類における染色体構造と核型進化
著者: 松原和純1 松田洋一1
所属機関: 1北海道大学創成科学共同研究機構ゲノムダイナミクス研究部門
ページ範囲:P.374 - P.375
文献購入ページに移動羊膜類とは,発生の初期段階に胚が羊膜をもつ脊椎動物の総称であり,哺乳類,鳥類,爬虫類がこれに含まれる。ミトコンドリアDNA全ゲノム配列から推定された羊膜類の系統関係1)と各分類群の代表的な核型を図1に示す。爬虫類と鳥類がもつ核型の共通の特徴の一つにマイクロ染色体の存在がある。ニワトリとスッポンの核型は六対のマクロ染色体と多数のマイクロ染色体からなり,シマヘビの核型もニワトリとスッポンほど多数ではないがマイクロ染色体を含む。ワニ類ではマイクロ染色体をもつ種は報告されていないが,系統関係から爬虫類と鳥類の共通祖先の核型にはマイクロ染色体が存在したことが予想されている。一方,哺乳類では原猿類の一部がマイクロ染色体をもつことが報告されているが,その起源は原始爬虫類から保存されてきたものではなく,系統分化に伴う染色体構造変化により派生したものと考えられている。
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