icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻5号

2006年10月発行

文献概要

特集 生物進化の分子マップ 7.リボソーム

16S rDNAを指標としたヒト腸内常在菌叢の系統解析

著者: 辨野義己1

所属機関: 1理化学研究所バイオリソースセンター・JCM

ページ範囲:P.386 - P.388

文献購入ページに移動
 ヒトの腸内には多様な細菌が常在し,複雑な常在菌叢を形成し,その大部分が偏性嫌気性菌(酸素のあるところでは生育できない細菌)である。1950年代初頭より,嫌気培養技術の確立・応用により,腸内常在菌叢を構成する大部分の菌種・菌株が偏性嫌気性菌であることが知られるようになった。これによって,それまで解明され得なかった常在菌叢の菌群構成の一部が明らかとなり,ヒトの健康,老化,疾病などとの関係も明らかにされてきた。21世紀に入り,これまでの培養可能な腸内常在菌の解析から16S rRNA遺伝子を指標とした手法を用いて培養困難な未知の腸内常在菌を含む系統解析が行われ,ようやくその全貌が見えてきた。

参考文献

46:535-548, 2002
47:557-570, 2003
63:4516-4522, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?