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特集 生物進化の分子マップ 12.ホルモン/生理活性ペプチド
レニン-アンジオテンシン系の進化
著者: 竹井祥郎1 渡辺太朗1
所属機関: 1東京大学海洋研究所生理学分野
ページ範囲:P.430 - P.431
文献購入ページに移動これまでに,AGTを含む血漿とレニンを含む腎抽出物をインキュベートしてANGⅠを産生し,それを精製することにより多くの動物でANGⅠの配列が決定されてきた(図1A)。調べられた動物は,円口類に属するヤツメウナギから哺乳類まで多様である2)。しかし,系統的に原始的な種では血漿AGT濃度やレニン活性が低く,十分な量のANGⅠを生成するためには百ミリリットル単位の血漿と数十グラムの腎臓組織を必要とする。そのため,まれにしか捕獲できない種や腎組織が未発達なメクラウナギなどでは,この方法を用いて配列決定に十分な量のANGⅠを生成することは不可能であった。
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