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文献概要
特集 生物進化の分子マップ 15.膜関連
ジストロフィンの分子進化
著者: 小澤鍈二郎1
所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所
ページ範囲:P.452 - P.453
文献購入ページに移動ジストロフィン(dystrophin;DYS)ファミリー
現在DYSファミリーとして考えられているのは,DYS,ユートロフィン(utrophin:UTR,旧名DYS related protein;DRP。またはDRP1),DRP2と,それらからはかなり離れているがDYS結合タンパク質の一つ,ジストロブレヴィン(dystrobrevin;DB)の4種である。これらは全体としてスペクトリン,α-アクチニンなどの遠縁に当たると考えられている。
DYS遺伝子は,筋ジストロフィーの中でも最も頻度の高いX-連鎖性(Xp21)劣性遺伝性のDuchenne muscular dystrophy(DMD)の責任遺伝子として,1987年にクローン化された。責任遺伝子とはその遺伝子に変異があれば,ある疾患になる遺伝子である。従って正常人ではDYS遺伝子は正常であり,そのタンパク質産物は正常筋繊維の成分である。名前はまぎらわしいが,DYSが発現するとDMDになるのではない。DYSは筋繊維の細胞膜下の細胞骨格のアクチン繊維と,細胞膜貫通性タンパク質β-ジストログリカン(DG)とを結ぶ非常に細長いタンパク質である。DYS自身細胞骨格タンパク質である。
現在DYSファミリーとして考えられているのは,DYS,ユートロフィン(utrophin:UTR,旧名DYS related protein;DRP。またはDRP1),DRP2と,それらからはかなり離れているがDYS結合タンパク質の一つ,ジストロブレヴィン(dystrobrevin;DB)の4種である。これらは全体としてスペクトリン,α-アクチニンなどの遠縁に当たると考えられている。
DYS遺伝子は,筋ジストロフィーの中でも最も頻度の高いX-連鎖性(Xp21)劣性遺伝性のDuchenne muscular dystrophy(DMD)の責任遺伝子として,1987年にクローン化された。責任遺伝子とはその遺伝子に変異があれば,ある疾患になる遺伝子である。従って正常人ではDYS遺伝子は正常であり,そのタンパク質産物は正常筋繊維の成分である。名前はまぎらわしいが,DYSが発現するとDMDになるのではない。DYSは筋繊維の細胞膜下の細胞骨格のアクチン繊維と,細胞膜貫通性タンパク質β-ジストログリカン(DG)とを結ぶ非常に細長いタンパク質である。DYS自身細胞骨格タンパク質である。
参考文献
3:283-291, 1993
ed, Engel & Franzini-Armstrong(eds), pp961-1025, McGraw Hill Co, New York, 2004
7:589-595, 1998
2:reviews. 3006. 1-3006. 7, 2001
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