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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻5号

2006年10月発行

文献概要

特集 生物進化の分子マップ 20.収縮タンパク

トロポニンの比較生物学

著者: 大槻磐男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学生理学第二講座

ページ範囲:P.488 - P.489

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 生理的な横紋筋の収縮弛緩の過程は微量のカルシウムイオンによって制御されているが,トロポニンはこのカルシウム制御に関わる調節タンパク質であり,三つの相異なる成分(トロポニンC,IおよびT)によって構成されている。トロポニンC(TnC)はCa2+受容成分である。またトロポニンI(TnI)は収縮抑制成分として働き,トロポニンT(TnT)はもうひとつのカルシウム調節タンパク質であるトロポミオシンに結合するなど,それぞれがトロポニンの特徴的な性質を分担している。

 脊椎動物の横紋筋を構成する骨格筋速筋,骨格筋遅筋および心筋には,それぞれの筋肉に固有のトロポニンアイソフォームが存在する。詳しく見ると,TnIとTnTでは遺伝子の異なる3種類のアイソフォームが存在し,TnCでは骨格筋遅筋と心筋が同一遺伝子によるため2種類となる。また,TnTではスプライシング機構によって複数のアイソフォームが産生され,その数は動物と筋肉の種類によって異なり,また筋肉の発達の時期によっても変動する1-3)。それぞれの筋肉のアイソフォームの発現とその機能についての知見を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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