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特集 生物進化の分子マップ 20.収縮タンパク
ナメクジウオ脊索に見る筋肉タンパクの進化
著者: 和田洋1 佐藤剛毅1 鈴木美穂2
所属機関: 1筑波大学大学院生命環境科学研究科 2エディンバラ大学
ページ範囲:P.494 - P.496
文献購入ページに移動ナメクジウオの脊索は,脊椎動物が脊椎骨により強度を増していったこととは全く異なった方向に進化を遂げた。現生のナメクジウオは発達した筋節を有しているが,マグロやカツオのように活発に泳ぎ続けているわけではない。むしろ大半の時間を砂の中に潜って過ごしている。砂に潜る際にナメクジウオは頭の方からも,尾の方からも潜ることができる。そのような行動に適応してか,脊索が神経管の先端を超えて,頭部の先端まで伸びている。このナメクジウオの脊索細胞には左右に筋線維が走っており,背側に位置する神経管に突起を延ばして,神経支配により収縮することで,硬さの調節を受けると考えられている(図1)2)。
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