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特集 生物進化の分子マップ 23.免疫
免疫グロブリンスーパーファミリーに属する新しい膜タンパク質Protogeninの比較生物学
著者: 渡邉裕二1
所属機関: 1東北大学大学院生命科学研究科脳構築分野
ページ範囲:P.520 - P.522
文献購入ページに移動protogenin遺伝子の構造
protogenin(プロトジェニン)はわれわれが同定した免疫グロブリンスーパーファミリーに属する新規膜タンパク質をコードする遺伝子である。protogeninは孵卵3日目のニワトリ胚の予定視蓋領域(中脳背側)に発現する遺伝子として同定され,そのcDNA全長が単離された1)。その遺伝子産物は1187アミノ酸残基で, 細胞外領域にシグナルペプチド, 四つのIgドメインと五つのフィブロネクチンⅢ型ドメインをもつ1回膜貫通型の膜タンパクである(図1)。現在までにヒト,マウス,ラット,ニワトリ,ゼブラフィッシュでprotogenin遺伝子が同定されており,脊椎動物に広く保存されていると考えられる(図2)。
Protogeninと相同性の高いタンパク質には三つのサブファミリーが存在する。 これには1)神経系の接着因子であるL1/NCAMサブファミリー,2)軸索誘導因子の受容体であるDCC/Neogeninサブファミリー,3)機能のよくわかっていないProtogenin/Punc/Nopeサブファミリーがあげられる(図2)。Protogeninとその相同タンパク質の間で相同性が高いのは細胞外領域においてであり,細胞内領域での相同性はほとんどみられない。これらの膜タンパク質は,細胞外領域でのタンパク質-タンパク質相互作用を介して接着因子や受容体としてはたらくと考えられている。
protogenin(プロトジェニン)はわれわれが同定した免疫グロブリンスーパーファミリーに属する新規膜タンパク質をコードする遺伝子である。protogeninは孵卵3日目のニワトリ胚の予定視蓋領域(中脳背側)に発現する遺伝子として同定され,そのcDNA全長が単離された1)。その遺伝子産物は1187アミノ酸残基で, 細胞外領域にシグナルペプチド, 四つのIgドメインと五つのフィブロネクチンⅢ型ドメインをもつ1回膜貫通型の膜タンパクである(図1)。現在までにヒト,マウス,ラット,ニワトリ,ゼブラフィッシュでprotogenin遺伝子が同定されており,脊椎動物に広く保存されていると考えられる(図2)。
Protogeninと相同性の高いタンパク質には三つのサブファミリーが存在する。 これには1)神経系の接着因子であるL1/NCAMサブファミリー,2)軸索誘導因子の受容体であるDCC/Neogeninサブファミリー,3)機能のよくわかっていないProtogenin/Punc/Nopeサブファミリーがあげられる(図2)。Protogeninとその相同タンパク質の間で相同性が高いのは細胞外領域においてであり,細胞内領域での相同性はほとんどみられない。これらの膜タンパク質は,細胞外領域でのタンパク質-タンパク質相互作用を介して接着因子や受容体としてはたらくと考えられている。
参考文献
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