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特集 血管壁
高血圧と血管
著者: 石川一彦1 楽木宏実1 荻原俊男1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科老年,腎臓内科学
ページ範囲:P.575 - P.579
文献購入ページに移動血管リモデリングは高血圧に適応し,血管壁の伸展を正常化するための反応であると考えられる。血管構造のリモデリングは,高血圧においてのみならず,レニン-アンジオテンシン系(RA系)の亢進といったホルモン環境の変化によっても生ずる。特にアンジオテンシンⅡ(AⅡ)は,血管のリモデリングや炎症を通して,心血管系の機能不全をもたらす。
血管リモデリングについてのポイントは,血管径に対する血管壁厚の比率である。高血圧においては,この比率が大血管および小血管の両者において増大するが,大血管でのリモデリングは血管壁厚の増大によるものであり,肥大によるリモデリングといわれる。これはコラーゲンやフィブロネクチンといった細胞外マトリックス蛋白の蓄積による血管平滑筋の増大が関与しており,しばしば血管硬化を伴う。
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