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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻6号

2006年12月発行

文献概要

特集 血管壁

網膜血管の特異性

著者: 渡部大介1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科眼科学

ページ範囲:P.593 - P.594

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 糖尿病網膜症に代表される網膜血管増殖疾患で起こる硝子体出血,血管線維膜による牽引性網膜剥離,あるいは血管新生緑内障などの病態は,患者を失明に至らせる。これらの病態は主として血管新生によって惹起される。糖尿病腎症や神経症などで,毛細血管の萎縮は共通してみられるが,血管新生という病態は網膜だけに特異的にみられる。また,網膜血管には全身の血管に比べて透過性の著しく低い血液網膜関門が存在するが,糖尿病により破綻を起こすと,透過性亢進による黄斑浮腫を生じ,視力低下の一因となる。血管新生や血管透過性亢進は,網膜微小血管の血管壁の脆弱化が基盤となって起こる。本稿では網膜血管の特異性について,糖尿病網膜症を例に解説する。

参考文献

(in press)
45:1016-1023, 1996
110:1619-1628, 2002
99:383-388, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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