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特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御
ネクチン-アファディン系による神経シナプスの形成機構
著者: 山田知広1 匂坂敏朗1 高井義美1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科生体生理医学専攻生化学・分子生物学講座
ページ範囲:P.88 - P.97
文献購入ページに移動一方,上皮細胞の細胞間接着には,形態学的に特徴的なtight junction(TJ)とadherens junction(AJ)が存在する。TJでは細胞膜貫通タンパク質であるクローディンとオクルーディンがTJストランドを形成し,細胞膜裏打ちタンパク質であるZOタンパク質ファミリーであるZO-1,-2,-3を介してアクチン細胞骨格に連結している3,4)。また,TJには免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着分子であるjunctional adhesion molecule(JAM)が局在し,細胞内でZOタンパク質ファミリーと結合している5)。一方,AJではカドヘリンが必須の接着分子として機能しており,細胞内でβ-カテニン,α-カテニンと結合している6,7)。α-カテニンは直接的,ならびに他のF-アクチン結合タンパク質ビンキュリンを介して間接的にF-アクチンに連結している。このカドヘリン-カテニン系は神経シナプスにも濃縮していることが明らかとなっており8),シナプスの形成機構は上皮細胞の細胞間接着の形成機構とよく似ており,カドヘリン-カテニン系はシナプスの形成にも必須の役割を担っている。
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