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特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御
シナプスの長期制御と受容体の局在化機構
著者: 柚﨑通介1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部生理学
ページ範囲:P.98 - P.102
文献購入ページに移動 記憶の本体は,神経活動の変化によって引き起こされるシナプスの変化(可塑性)であると考えられている。シナプス可塑性のモデルとしては,長期増強(Long-term potentiation:LTP)と長期抑圧(Long-term depression:LTD)がこれまでに詳しく研究されてきた。神経活動が一定期間亢進すると,特定の神経細胞間のシナプス伝達効率が増強する現象がLTPであり,逆に低下するのがLTDである。LTPやLTDの実体は,シナプスにおけるグルタミン酸伝達効率の変化にほかならず,シナプス前部からのグルタミン酸放出の変化や,シナプス後膜におけるグルタミン酸受容体の感受性や数の変化により担われる。近年,シナプス後膜におけるAMPA型グルタミン酸受容体の数と局在の変化が,LTPやLTDの発現にとりわけ重要であることが判明してきた。
本総説では,AMPA受容体の局在化機構についてわかってきた最新の知見を概括し,あわせてわれわれの研究室の研究について紹介する。誌面の都合で詳述できなかった部分については他の総説1)を参照されたい。
本総説では,AMPA受容体の局在化機構についてわかってきた最新の知見を概括し,あわせてわれわれの研究室の研究について紹介する。誌面の都合で詳述できなかった部分については他の総説1)を参照されたい。
参考文献
1)柚崎通介:生化学 79:16-27,2007
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