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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻2号

2007年04月発行

文献概要

特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御

シナプス後肥厚部タンパクのクラスタリングとセマフォリンシグナリング

著者: 五嶋良郎1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科分子薬理神経生物学

ページ範囲:P.125 - P.129

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 樹状突起上のスパインは興奮性の入力を受け取る部位であり,神経可塑性に関わる重要な役割を演ずると考えられる。しかし神経発生・発達の過程でどのように生ずるかについてはまだ十分な理解には至っていない。近年の研究成果は,スパインおよびシナプスが発生と消失をともなうダイナミックな制御の下に置かれている事実を明らかにした。YusteとBonhoefferは,スパインとシナプスとの形成を別の概念として区別した1)。その理由は,(1)成熟したスパイン形成へと導く完全な発生学的なプログラムは,軸索終末が欠如していても進行する。(2)シナプス形成はスパイン形成より遅延することもあり,その逆のこともある。(3)シナプス形成が完成するには数日,場合により数週間を要するが,スパイン形成は分単位で形成される。従って,この二つの現象は相互に密接に関連するが,別個のものであると考える方がより正確であろう。

 本稿では,反発性軸索ガイダンス分子として知られるセマフォリン3A(Sema3A)とスパイン形成との関わりを中心に,軸索ガイダンス分子によるシナプス成熟の意義について論ずることとする。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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