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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻2号

2007年04月発行

文献概要

特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御

樹状突起フィロポディア形成・維持による緩やかなシナプス成熟―終脳特異的細胞接着分子テレンセファリンの役割

著者: 吉原良浩1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センターシナプス分子機構研究チーム

ページ範囲:P.130 - P.134

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 われわれの脳は,学習・記憶・認知・情動・意志決定・意識といった可塑的な機能を有する。このような高次脳機能の発現には,外部からの情報に対応してシナプスが柔軟に変化することが重要であると考えられている。では,シナプスの柔軟な構造的・機能的変化にはどのような分子が関与し,どのようなメカニズムで起こるのであろうか。本稿では,脳の最も吻側に位置し,高次脳機能を司る終脳セグメントのニューロンにのみ発現する細胞接着分子「テレンセファリン」に着目し,その構造・局在・機能を概説する。特にテレンセファリンによる樹状突起フィロポディア形成と緩やかなシナプス成熟についての最新の知見を紹介し,脳の神経回路を柔らかく構築し,可塑性を維持するための分子メカニズムについて論じる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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