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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻2号

2007年04月発行

文献概要

特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御

シナプスのスカフォールディング蛋白の発現調節

著者: 那波宏之1 横幕大作1 武井延之1 難波寿明1

所属機関: 1新潟大学脳研究所分子神経生物学分野

ページ範囲:P.135 - P.138

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 成長円錐やデンドライトからシナプスへの分化・成熟課程はどのように制御されているのであろうか。前稿に紹介されているように,PDZ蛋白を含む数百の分子がその構造構築に関与していることが判明しつつあるものの,何がその調節を担っているか不明な部分が多い。その問題点は,成長円錐による標的の認識・識別メカニズムとその後に起きるシナプス構造の分化成熟課程とが,実験的に弁別しづらいことによる。様々な分子,ニューロリジンやニューレキシン,カドヘリンなどが細胞接着因子として同定されているが,個々の分子が成長円錐のガイダンスに作用しているのか,標的認識に関与しているのか,シナプスの成熟に関与しているのか議論が分かれる1)。これらのプロセスは一連のものであり,その1ステップを識別する必要性があるのかすら明確でない。本稿では,前シナプスなどから放出される可溶性の栄養因子に着目して,PDZドメインを有するスカフォールディング蛋白の発現調節と後シナプス構造の発達への影響に関して議論をしてみたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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