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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻3号

2007年06月発行

特集 骨の形成と破壊

破骨細胞の分化および機能に伴う極性変化

著者: 滝戸二郎1 高石官成2 戸山芳昭2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部抗加齢運動器学寄附講座 2慶応義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.186 - P.190

文献概要

 破骨細胞は骨の破壊を担当する単球/マクロファージ系由来の多核細胞である1)。主にアクチンからなる細胞骨格は,単核細胞から多核細胞への融合,骨の認識,骨吸収,遊走など,破骨細胞の一生を通して大規模に再構築する。本稿は,その細胞内構造変化を極性というキーワードを軸として整理することにより,他細胞と共通する,あるいは破骨細胞独自の構造生成様式を理解することを目的とする。極性という単語は構造上の非対称性を意味するものであるが,生物学では研究対象である個体,組織,細胞によって様々な使われ方をされている。ここでは,破骨細胞と上皮細胞の極性を比較することにより理解を深めていきたい。破骨細胞はどのようにして付着,吸収する骨を認識するのか。この問いは,逆に破骨細胞は骨の反対側ではどのような構造を取っているのかとなる。細胞内での局所的構造は,どのような外界あるいは内在性シグナルにより作られるのか。破骨細胞はその短い生涯において目覚ましい構造変化を示すが,現在主流のgene chipを用いた遺伝子発現の解析方法とは異なり,より局所的な構造生成原理の解明を目指す立場が極性研究の指向性である。それでは,まず成熟破骨細胞における静的な基本極性を定義することから始めよう。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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