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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻3号

2007年06月発行

文献概要

連載講座 中枢神経系におけるモジュレーション・4

アンジオテンシンⅡによる後シナプス性自発電流の増強

著者: 横山徹1 尾崎由美1 上田陽一1

所属機関: 1産業医科大学医学部第1生理学

ページ範囲:P.224 - P.229

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 循環血液中のレニン-アンジオテンシン系は生体の血圧調節,および電解質バランスの維持に深く関与する重要な酵素-ホルモン系としてよく知られている。レニン-アンジオテンシン系の基質であるアンジオテンシノーゲンは主に肝臓で産生され,血中へと分泌される。腎臓で産生されるレニンによってアンジオテンシノーゲンが切断され,アンジオテンシンⅠが生成される。アンジオテンシンⅠはさらにアンジオテンシン変換酵素(ACEまたはキマーゼ(ヒト))によってアンジオテンシンⅡへと変換される(図1)。このアンジオテンシンⅡはレニン-アンジオテンシン系のうちで最も強力な生理活性ペプチドであり,特異的な受容体(AT1~AT4)を介して血管の収縮や水・電解質の再吸収促進など様々な生理機能を発揮し,血圧の上昇を引き起こす。また,脳内には末梢と独立したレニン-アンジオテンシン系が存在し, 脳内で産生されたアンジオテンシⅡも血圧調節や体液および電解質バランスの調節に関わっていることが報告されている1-3)(図2)。

 本稿ではアンジオテンシンⅡの中枢性作用,特にシナプス入力に対するアンジオテンシンⅡの作用を中心に述べる。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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