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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻3号

2007年06月発行

文献概要

解説

人工染色体

著者: 鈴木伸卓1 池野正史1 岡崎恒子1

所属機関: 1藤田保健衛生大学総合医科学研究所人工染色体プロジェクト

ページ範囲:P.237 - P.242

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 染色体は生命機能に必要な遺伝情報を次世代に伝える重要な役割を果たしており,細胞周期のS期に複製され倍化した染色体は,M期に娘細胞へと均等に分配される。近年,染色体の複製,分配の分子機構の詳細な解析により各過程で機能を担うタンパク質成分やDNA配列が明らかになりつつある。出芽酵母ではこの染色体機能要素を組み合わせて酵母人工染色体(YAC)が構築され,クローニングベクターとして実用化が進められてきた。われわれはYACと同様にヒト細胞においても染色体維持に必要な機能要素を組みあわせ,ヒト人工染色体(HAC)の作製が可能であることを明らかにした。HACは細胞周期を通じて宿主細胞の染色体と挙動を一致するため,染色体機能のモデル解析系として優れているばかりでなく,新規な遺伝子導入ベクターとしての利用が期待されている。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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