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特集 嗅覚受容の分子メカニズム
嗅覚受容細胞における活動電位生成機構
著者: 河合房夫1 宮地栄一1
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.275 - P.279
文献購入ページに移動 匂いの情報は,嗅上皮に存在する嗅細胞(olfactory receptor cell)と呼ばれる嗅覚受容細胞により受容される。図1は嗅細胞の模式図である。嗅細胞には繊毛があり,この部位に匂い分子の結合する受容体が存在する。匂い分子は受容体に結合することにより受容器電位を発生させる。この嗅繊毛におけるトランスダクション機構については,本誌中の倉橋隆博士による解説(269-274頁)を含めすでにレビューがあるので1-5),本稿では省略する。
匂い物質により発生した脱分極性受容器電位は,嗅細胞の樹状突起を介して細胞体へと伝わり,細胞体あるいは軸索において活動電位が発生する(図1)。発生した活動電位は軸索を介して嗅球へと伝達されることにより,匂いの情報が脳へと伝わり処理される。本稿では,嗅細胞の細胞体における活動電位の発生機構とその調節機構について主に解説する。
匂い物質により発生した脱分極性受容器電位は,嗅細胞の樹状突起を介して細胞体へと伝わり,細胞体あるいは軸索において活動電位が発生する(図1)。発生した活動電位は軸索を介して嗅球へと伝達されることにより,匂いの情報が脳へと伝わり処理される。本稿では,嗅細胞の細胞体における活動電位の発生機構とその調節機構について主に解説する。
参考文献
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