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特集 嗅覚受容の分子メカニズム
嗅覚神経回路形成の分子機構
著者: 宮坂信彦1 吉原良浩1
所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センターシナプス分子機構研究チーム
ページ範囲:P.285 - P.292
文献購入ページに移動 嗅覚系は匂いの情報を鼻から脳へと伝え,対象物の匂いイメージを創造する感覚システムである1)。1991年のLinda BuckとRichard Axelによる匂い分子受容体の発見2)(2004年ノーベル医学生理学賞)が契機となり,嗅覚研究に分子生物学的および発生工学的手法が取り入れられると,鼻(嗅上皮)から脳の入口(嗅球)へと至る一次嗅覚経路が非常に秩序だった精密な神経接続様式を有することが明らかになった3)(図1)。本総説では,一次嗅覚経路の接続様式とその形成を司る分子群について,筆者らによる最新のデータを交えて概説する。また,嗅球から高次嗅覚中枢へと至る二次嗅覚経路の接続様式については大部分が未解明であるが,これまでに報告されている嗅球ニューロン軸索投射の分子・細胞メカニズムについても紹介する。
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掲載誌情報