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特集 タンパク質間相互作用 4.方法・技術
抗体可変領域のタンパク質間相互作用を利用した高感度な低分子分析
著者: 上田宏1
所属機関: 1東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻
ページ範囲:P.370 - P.373
文献購入ページに移動抗体はこのようにタンパク質の検出に威力を発揮するが,抗体がその魅力をさらに増している点として,このような高分子だけでなく低分子も認識可能な点があると思われる。かつてABO式血液型の発見者Landsteinerによって見出されたごとく,糖鎖や低分子化合物のように単独では抗原性がない物質でも,キャリアタンパク質に結合したもの(ハプテン)なら抗体はこれを抗原として認識しうる。この性質を利用し,これまで多くの低分子やペプチドについてモノクロ,ポリクロを問わず特異的抗体が作製され,ホルモン・薬物などの分析,また全長タンパク質やその翻訳後修飾の検出などに幅広く応用されてきた。本稿では,これまであまり利用されてこなかった抗体のドメイン間相互作用を利用した,特に低分子を従来より高感度で検出可能な新しい免疫測定法について,おもに筆者らの仕事を紹介したい。
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