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特集 タンパク質間相互作用 5.遺伝情報の発現
核内受容体と熱ショックタンパクの相互作用
著者: 加藤茂明1 藤木亮次1
所属機関: 1東京大学分子細胞生物学研究所
ページ範囲:P.383 - P.385
文献購入ページに移動 体内および食品に存在する分子量300前後の脂溶性生理活性物質の中には,核内受容体リガンドとして作用するものが数多く知られている。古典的な内分泌ホルモンとしてのステロイド/甲状腺ホルモンや,ビタミンA(レチノイド),ビタミンDに加え,最近ではエイコサノイド,さらにコレステロール代謝体群がリガンドとして機能することが示されている。核内受容体群は一つの原初遺伝子から分子進化した遺伝子スーパーファミリーを形成しており,そのメンバーはヒトゲノム解読の結果,48種にものぼると推定されている1)。48種のうち,当初リガンド未知のオーファン受容体として見出されたが,その後複数の内因性リガンドが同定されたLXRやFXRなどの非ステロイド受容体群がある2-5)。これら非ステロイド受容体群は一般にリガンドとの特異性は低く,動物種によりリガンドとの特異性が異なることがわかっている。 このファミリーは線虫にも存在するが6),植物には存在しないことがわかっている。いずれにしてもこれら後になってリガンドが同定されたオーファン受容体は,ステロイドホルモン生合成中間体などの生体内で存在量の少ない低分子量脂溶性生理活性物質を複数内因性リガンドとする可能性が高い。一方,依然としてリガンド未知のオーファン受容体も存在する。
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