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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻5号

2007年10月発行

文献概要

特集 タンパク質間相互作用 7.シグナル伝達

極性発現に必要なPB1ドメイン間の相互作用

著者: 稲垣冬彦1

所属機関: 1北海道大学大学院薬学研究院構造生物学研究室

ページ範囲:P.402 - P.403

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 シグナル伝達を担うタンパク質は複雑なシグナル伝達ネットワークを効率よく形成するため,複数のドメインを機能素子として並べたマルチドメイン構造をとっている。個々のドメインが担う分子機能の普遍性と特異性を理解することは,そのドメインを含むタンパク質全体の生理的機能を解明する上で重要な知見を与える。ここでは,タンパク質間相互作用を担うPB1ドメインを例として,機能ドメイン相互の認識の普遍性および特異性を立体構造に基づいて考察する。

 PB1(Phox and Bem1)ドメインは,酸性残基に富む28残基のPC(Phox and Cdc)モチーフを含んだ領域(PCCR:PC motif containing region)と結合する80残基程度のドメインとして, 住本らにより最初に同定された1)。 その後, 筆者らのグループにより,Bem1のPB1ドメイン2)およびCdc24のPCCR3)の構造解析が行われ,ともに,よく似た立体構造をもつことが明らかにされ,PB1ドメインとPCCRをまとめてPB1ドメインと総称すること,グループごとで異なる名前で呼ばれていたPCモチーフをOPCAモチーフとして統一することが国際的に同意された4)。PB1ドメインは一次構造上の特徴より,酸性残基に富むOPCAモチーフをもつタイプ1,保存されたリジン残基をもつタイプ2に分類される。

参考文献

20:3938-3946, 2001
20:3947-3956, 2001
22:4888-4897, 2003
27:10, 2002
279:31883-31890, 2004
280:9653-9661, 2005
12:39-50, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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