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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻5号

2007年10月発行

文献概要

特集 タンパク質間相互作用 12.細胞骨格

トロポニン構成タンパク質の相互作用

著者: 前田雄一郎1

所属機関: 1名古屋大学大学院理学研究科

ページ範囲:P.438 - P.439

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 トロポニン(Tn)は骨格筋および心筋の“細いフィラメント”(アクチンフィラメント)の構成成分であり,トロポミオシンとともに筋収縮のカルシウム調節を担う蛋白質である。筋収縮は細胞内のカルシウムイオン濃度[Ca2+]の一過的上昇によって開始されるが,TnはCa2+受容蛋白質としてこの濃度上昇を感知して,その信号をトロポミオシン・アクチンフィラメントに伝え,その結果,アクチンフィラメント全体がミオシンとの相互作用を開始する。Tnは3成分から成る。TnCはCa2+を結合する成分,TnIはアクチンと結合しアクチン ・ミオシンの相互作用を阻害する成分, TnTはトロポミオシンに結合する成分である。これら3成分が絡み合って形成されるTn分子の中心部の結晶構造はすでに解明されている(図1)1)

参考文献

424:35-41, 2003
592:37-46, 2007
95:4847-4852, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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