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特集 タンパク質間相互作用 13.細胞内タンパク輸送
FGF-1のCa2+結合性運搬タンパク群との相互作用による非古典的遊離
著者: 植田弘師1 松永隼人1
所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科分子創薬科学講座分子薬理学分野
ページ範囲:P.454 - P.456
文献購入ページに移動多くのタンパク質の調節性分泌は,分泌小胞がCa2+依存的に細胞膜融合するエクソサイトーシスによって細胞外へと輸送される。この機構には翻訳されたタンパク質がシグナルペプチドを有することを必要とする。シグナルペプチドを有するタンパク質は ‘小胞体-ゴルジ装置' を介して小胞内へと移行し,細胞外へと輸送される。このメンブレントラフィックを介した遊離機構は古典的遊離機構と呼ばれる。しかしながら,いくつかの細胞外に存在するタンパク質はシグナルペプチドを有していない。このことは分泌小胞非依存的に遊離されていることを意味し,非古典的遊離機構と呼ばれ(図1A),小胞性と非小胞性に大別される(図1B)。非古典的遊離機構によって細胞外に遊離される分子は多岐にわたり,その多くが ‘細胞の生死' などの重要な運命決定を担っている。例を挙げると細胞分化・増殖や細胞死を制御する一部の栄養因子,サイトカイン類や細胞外マトリックスタンパク質,または感染に伴うウイルスタンパク質や寄生生物表面タンパク質がある1)(図1B,C)。これら分子群の特徴からも,非古典的遊離機構を解明することは病態生理学的にも大きな意義を有する。
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