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特集 タンパク質間相互作用 14.細胞分化
網膜視細胞分化におけるDNA結合ドメインのタンパク質間相互作用
著者: 佐貫理佳子1 古川貴久1
所属機関: 1大阪バイオサイエンス研究所発生生物学部門
ページ範囲:P.462 - P.463
文献購入ページに移動マウスでは桿体はロドプシンを,錐体はS-オプシンもしくはM-オプシンを光色素として発現している。桿体前駆細胞は胎児期13日目から生後10日目にかけて誕生し,錐体前駆細胞は胎児期12.5日目から17.5日目の間に誕生する。しかしこれら視細胞前駆細胞の誕生と,オプシンタンパク質の発現開始の間には明確な遅れがある。ロドプシンは桿体前駆細胞の最終分裂から約5.5~6.5日も経過しないと発現しない1)。またS-オプシンは生後5日目から発現され始め,10日目でピークをむかえる。その後のS-オプシン陽性細胞は一部が減少してM-オプシンを発現する細胞に変化すると考えられている2)。以上のことから,視細胞のサブタイプへの最終分化は視細胞特異的な遺伝子群の発現転換が関わると考えられている。本稿では,桿体と錐体への分化に関与する遺伝子の発現調節機構とDNA結合ドメインの役割について解説する。
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