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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻6号

2007年12月発行

特集 グリケーション(糖化)

内在性細胞外分泌型RAGE(esRAGE)の構造と機能―AGE-RAGE相互作用を中心にして

著者: 棟居聖一1 山本博1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科血管分子生物学

ページ範囲:P.529 - P.533

文献概要

 終末糖化産物(Advanced Glycation End-products;AGE)は蛋白質が非酵素的に還元糖により糖化,修飾されるメイラード反応により生成される最終産物の総称である。このAGEは糖尿病患者やその病変部に蓄積していることが明らかにされて以来,AGEとその受容体RAGE(Receptor for AGE)との相互作用に注目が集まった1)。その後の種々の研究から,AGE-RAGE相互作用は糖尿病合併症に原因的に関与していることが明らかにされてきている2,3)。また近年,RAGEはAGEのみならずアルツハイマーにおいて脳に蓄積するアミロイドβ蛋白質4),癌転移や炎症との関連が明らかにされているHMGB-1/amphoterin5),免疫系細胞から分泌される炎症仲介分子S100/calgranulin6),白血球の細胞表面にあるβ2インテグリンMac-17)など様々な分子と相互作用することが明らかにされ,糖尿病以外の疾患にも関与している可能性が示唆されている。このRAGEには少なくとも三つのスプライシングバリアントが存在する。この稿ではRAGEのスプライシングバリアントの一つである内在性細胞外分泌型RAGE(endogenous secretory RAGE, esRAGE)について,AGE-RAGE相互作用を中心にその構造および機能についての現状を概観する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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