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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻6号

2007年12月発行

文献概要

特集 グリケーション(糖化)

非酵素的糖化抑制活性を有する天然薬物

著者: 岡田嘉仁1 奥山徹1

所属機関: 1明治薬科大学天然薬物学教室

ページ範囲:P.534 - P.539

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 医薬品の先導化合物を天然から抽出,分離し,有用な構造上の知見や薬理活性に関する知見を他分野に供給することが生薬学,天然物化学の一つの使命と考える。自然の作り出す化合物は人間の想像を遥かに超えたものであり,その構造を決定する上においても,合成また生理活性を見出す際においても魅力的なものである。筆者らは天然から見出した素材に対して生理活性を付与し,天然由来機能性物質として社会に還元することを目標に研究に取り組んできた。とくに社会的に大きな問題となっている生活習慣病の予防を目指し,各種の食材,世界の伝承薬物,生薬の有効性について研究を行っている。その一環として,生活習慣病の一つである糖尿病合併症に有効な数多くの天然素材の検索に取り組んできた。本稿では,天然素材を活用したメイラード反応後期段階生成物(advanced glycation end-products;AGE)の生理作用に関して,筆者らの「糖尿病合併症予防に寄与しうる南蛮毛の研究」および「糖尿病合併症予防に寄与しうる海藻類の研究」を通して,糖尿病合併症発症機構に関連するまとめをする。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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