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文献詳細

雑誌文献

生体の科学58巻6号

2007年12月発行

文献概要

特集 グリケーション(糖化)

2型糖尿病性腎症ラットモデルにおけるAGEsの関与

著者: 大友秀一1 宮田敏男2

所属機関: 1東海大学総合医学研究所 2東海大学医学部腎代謝内科学

ページ範囲:P.549 - P.553

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 2型糖尿病における糖尿病性腎症は,高血糖のみならず高血圧,高脂血症,インスリン抵抗性,肥満といった代謝異常,さらにはadvanced glycation end-products(AGEs)などの様々なファクターの複合的関与により,病態が形成・進展すると考えられている。中でもAGEsは,糖尿病血管合併症全般の発症進展に直接的に関与する可能性が挙げられ,研究が進められている。

 AGEsは,タンパク質と糖(グルコースやほかの炭水化物)の非酵素的な反応(糖化反応)を起点とした酸化的/非酸化的反応により形成される修飾タンパク質の総称であり,AGEs形成における一連の反応はメイラード反応と呼ばれている。AGEs形成は高血糖状態の持続により促進されるが,生体内酸化ストレスもまたAGEs形成を促進すると考えられており1),2型糖尿病におけるAGEsの上昇は,高血糖のみならず高血圧,高脂血症,肥満,高インスリン血症といったメタボリック異常に起因する酸化ストレスの亢進が関係している可能性が考えられる。

 本稿では,2型糖尿病性腎症ラットモデルに対し行った各種メタボリック異常改善治療(カロリー制限,血圧降下剤,血糖低下薬)や慢性虚血改善治療の結果を概説し,糖尿病性腎症とAGEsの関係についてわれわれの得た知見を紹介したい。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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