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特集 グリケーション(糖化)
AGEsの血管新生抑制機構
著者: 鬼丸満穂1 居石克夫1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病理病態学
ページ範囲:P.558 - P.564
文献購入ページに移動本稿のテーマであるAGEsと血管新生に目を向けると,AGEsの血管新生に与える影響は報告によって異なり議論の余地を残している。つまり,「AGEsは血管新生促進因子である」とする報告と,逆に「AGEsは血管新生抑制因子である」とする報告の両者がある。そこで本稿では,現在までに報告されているAGEsの血管新生への関与について,その促進メカニズムと抑制メカニズムに関する文献的考察に加え,われわれがこれまで報告した「機能的」血管新生誘導メカニズムならびに糖尿病モデルマウス下肢におけるAGEs依存性虚血耐性能低下に関する分子メカニズムに言及し,糖尿病を背景とした病態におけるAGEsの血管病理学的意義について述べる。
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