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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻1号

2008年02月発行

文献概要

実験講座

レポータータンパク質の再構成法を利用した生体分子イメージング

著者: 菅野憲1 小澤岳昌1

所属機関: 1東京大学大学院理学系研究科化学専攻

ページ範囲:P.66 - P.72

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 生きた細胞内では,細胞内外の環境変化に応じたさまざまな化学的プロセスや情報伝達が行われている。細胞内の情報伝達は,生体を構成する主要物質であるタンパク質や核酸などの生体分子を介して実行される。生体分子が生きた細胞や生体内で,いつ・どこで・何が・どの程度作用しているかを詳細に解析することは,現在の生命科学研究において重要なテーマである。

 生きた細胞内でのタンパク質の動態を低侵襲的に観察するため,さまざまなレポータータンパク質が使用されている(表1)。レポータータンパク質とは,細胞内でのタンパク質発現や局在を可視化するために用いられるタンパク質のことである。たとえば,緑色蛍光タンパク質(GFP),発光タンパク質ルシフェラーゼなどが挙げられる1-3)。GFPをレポータータンパク質として用いた場合,生きた細胞内のタンパク質の動的な挙動をリアルタイムで観察することが可能である。ルシフェラーゼの生物発光反応による赤色光は,動物組織やヘモグロビンに吸収されることなく動物個体を透過するので,マウスなどの小動物を対象とした低侵襲イメージングに用いられている。GFPやルシフェラーゼなどのレポータータンパク質は,分析対象の標的タンパク質に融合したり,そのcDNAを標的プロモーターの下流に連結したりなど,「タグ」としての利用が一般的である。

参考文献

1)Chalfie M, Kain SR:Green Fluorescent Protein:Properties, Applications, and Protocols, 2nd Ed, Wiley, NJ, 2005
2)今井一洋,近江谷克裕:バイオ・ケミルミネセンスハンドブック,丸善,東京,2006
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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