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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻2号

2008年04月発行

文献概要

特集 細胞外基質-研究の新たな展開

成長因子とへパラン硫酸プロテオグリカンの相互作用

著者: 岸本聡子1 中村伸吾2 服部秀美1 石原雅之1

所属機関: 1防衛医科大学校防衛医学研究センター医療工学研究部門 2防衛医科大学校外科学講座

ページ範囲:P.92 - P.100

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 ヘパリンは動物組織(ブタやウシの小腸粘膜や肺など)から商業ベースで分離され,臨床現場においては血液抗凝固剤として今なお不動の地位を占めている。ヘパリンは正常組織では肥満細胞にのみ認められ,その細胞質顆粒内に貯蔵されている1)。他方,ヘパラン硫酸(HS)はコンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ケラタン硫酸などと並んで,細胞外マトリックス構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)の一員であり,いくつかのHS側鎖がコアタンパク質に共有結合したプロテオグリカン群として存在する。このヘパラン硫酸プロテオグリカン(HS-PG)は,動物組織において細胞膜そして細胞外マトリックスの両方に普遍的に存在している2)

 HS/ヘパリンの生物学的役割は多様であり,よく知られている血液抗凝固活性の他に,成長因子やサイトカインの働き,細胞の接着,認識,遊走,そして様々な酵素活性の調節などいろいろな生物反応に関与していることが知られている2)。それらの生物活性の多くは,各種タンパク質(成長因子を含む)とHS/ヘパリン糖鎖の相互作用によって媒介されていると考えられる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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