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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻2号

2008年04月発行

文献概要

特集 細胞外基質-研究の新たな展開

コンドロイチン硫酸プロテオグリカンによる神経発生の制御

著者: 前田信明1 石井万幾1

所属機関: 1東京都神経科学総合研究所分子発生生物学研究部門

ページ範囲:P.105 - P.110

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 コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CS-PG)は,ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HS-PG)と共に,細胞外基質および細胞表層の主要構成成分として普遍的に存在する分子群である。これまでHS-PGについては,種々の成長因子やモルホジェンなどの活性をHS依存的に制御していることが多数の研究によって明らかにされている。一方,CS-PGは物理的な構造分子とみなされることが多く,シグナル分子群の機能調節に直接的に関与することはないと信じられてきた。しかしながら近年,コンドロイチナーゼABC(Chase ABC)を投与してCSを分解除去すると,軸索再生や神経可塑性が促進することや,神経細胞の極性変化や突起形成異常が起こることが見出され,CS-PGは神経細胞の挙動を制御する重要な分子群であると認識されるようになった。現在,このような現象の分子機構が重要な研究課題となっており,特に,CSの構造特異的な情報伝達制御機構の解明に焦点が当てられている。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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