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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻2号

2008年04月発行

文献概要

特集 細胞外基質-研究の新たな展開

初期胚細胞分化における基底膜の役割

著者: 藤原裕展1 関口清俊2

所属機関: 1 2大阪大学蛋白質研究所細胞外マトリックス研究室

ページ範囲:P.111 - P.117

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 基底膜は,上皮構造をもつすべての多細胞動物に存在する細胞外マトリックスのプロトタイプである1)。最も下等な後生動物である刺胞動物でも,内胚葉と外胚葉の境界には基底膜が存在する。後生動物の基本構造である上皮と基底膜は不可分の関係にある。初期発生においても,最初に形成される細胞外マトリックスは基底膜で,内胚葉と外胚葉からなる二胚葉期にすでに存在している2)。基底膜が初期胚における細胞の分化の開始とともに形成されるという事実は,基底膜が細胞分化と密接に関わっていることを想像させるが,その実態は未だ不明である。その最大の原因は,三次元超分子複合体である基底膜の操作と細胞分化のモニタリングを同時に達成できる実験系がほとんどなかったことにあると考えられる。本稿では,in vitroで基底膜を形成しながら分化する胚様体(embryoid body)とマウス初期胚の解析を通して明らかにされた初期胚細胞分化における基底膜の役割について,最近の知見を交えて紹介したい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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