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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻2号

2008年04月発行

文献概要

特集 細胞外基質-研究の新たな展開

ビトロネクチンのコラーゲンおよび線溶系因子との相互作用

著者: 佐野琴音1 小川温子1

所属機関: 1お茶の水女子大学大学院研究院自然・応用科学系

ページ範囲:P.118 - P.122

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1 ビトロネクチンの構造と機能

 細胞外マトリックス(ECM)は,細胞を固定,維持する物理的な「足場」であるだけではなく,細胞の接着,移動,増殖,発育,分化などを調節している。細胞接着性糖タンパク質ビトロネクチン(VN)はECMの主要糖タンパク質の一つであり,0.2-0.4mg/mlの高濃度で血液中にも存在する。VNは細胞のECMへの接着,分化,増殖などに関与する上に,血液凝固系,線維素・組織溶解系,補体系など,種々のタンパク質分解カスケードを制御する多機能性糖タンパク質である1)。外科手術や急性・慢性炎症時に産生が増加する急性期反応物でもあることから,組織修復・再生におけるVNの機能が注目されている2)。本稿では,VNの基本的性質とともに,組織修復に関わる生物学的活性が糖鎖修飾によって調節されるという最近の発見を紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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