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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻3号

2008年06月発行

文献概要

特集 アディポゲネシス

脂肪細胞におけるアドレノメデュリン―脂肪細胞分化とアドレノメデュリン発現制御

著者: 高橋和広1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内分泌応用医科学

ページ範囲:P.172 - P.180

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 食欲抑制性のペプチドホルモンであるレプチンが1994年に脂肪細胞から発見されて以来1),脂肪細胞は内分泌細胞のひとつであると考えられるようになった。脂肪細胞からは,レプチンのみならず多くの生理活性物質が分泌され,これらはアデポカイン(あるいはアデポサイトカイン)と総称される。すなわち,レプチンのほかに,アデポネクチン,腫瘍壊死因子α(TNFα),レジスチンなどの多くのアデポカインが脂肪細胞から分泌される。さらに,脂肪細胞にはインスリン受容体や成長ホルモン受容体などのホルモン受容体が発現しており,内分泌シグナル網が形成されている。

 アドレノメデュリン(AM)は,褐色細胞腫から発見された52個のアミノ酸からなる血管拡張性ペプチドである2)。AMはカルチトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP;calcitonin gene-related peptide)と約27%の相同性を有し,カルチトニン,CGRP,アミリンとともにCGRPファミリーペプチドを形成する。最近,新たなAM関連ペプチドとして,アドレノメデュリン2(AM2)(別名,インテルメジン)が,ゲノムデータベースの検索によって発見され3,4),ヒトから魚類に至るまで存在することが判明している。AM2はヒトでは下垂体,腎臓や消化管に高発現している。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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