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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻3号

2008年06月発行

文献概要

特集 アディポゲネシス

膵β細胞の脂肪毒性によるインスリン分泌障害

著者: 金子和真1 植木浩二郎1 門脇孝1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科

ページ範囲:P.223 - P.231

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 近年の急速な食生活の欧米化によりわが国でも肥満が急増しており,それに伴い動脈硬化性疾患が増加,平成16年度厚生労働省人口動態統計によると心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)は約29%と悪性新生物の約32%に次ぐ死亡率を占めている。また,2型糖尿病も同様に増加を認めており,今世紀の初めには全世界で約1億7千万人であった患者数が,2030年には3億6千万人まで増加すると想定されている1)

 この動脈硬化性疾患が増加を来した主要な原因は,肥満に伴うインスリン抵抗性を基盤として様々な代謝異常を来し2型糖尿病,高血圧,高脂血症などを発症,そしてこれらのリスクファクターが一個人に集積し動脈硬化を促進する病態,いわゆるメタボリックシンドロームが増加したためであると考えられている。このリスクファクターは程度が軽い場合でも,重複すると動脈硬化性疾患のリスクが著明に上昇することが現在までに多くの疫学調査で示唆されている。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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