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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻3号

2008年06月発行

文献概要

実験講座

核内受容体転写因子群の単離・同定・機能解析

著者: 藤木亮次1 中村(藤山)沙理1 横山敦1 加藤茂明1

所属機関: 1東京大学分子細胞生物学研究所核内情報研究分野

ページ範囲:P.242 - P.247

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 ヒトゲノムを解読した現在,必要な遺伝子を時期・組織特異的に発現する機構の解明が,広く生命現象を理解する上で重要な課題の一つとなっている。核内受容体群はリガンド依存的に調節されるDNA結合性転写因子の総称であり,ヒトではゲノム情報から48種類存在すると推定されている。個々の核内受容体はステロイドホルモンやビタミンA,Dなどそれぞれ対応する生理活性分子をリガンドとしており,リガンドの結合によって標的遺伝子群の転写反応をON・OFFに切り換えている(図1)。分子レベルでは,核内受容体はリガンドの結合により転写調節ドメインの構造が変化し,ONにする転写共役活性化因子,またはOFFにする転写共役抑制化因子の物理的相互作用を動的に変換すると説明されている。近年の目覚しい技術革新は,これら核内受容体転写共役因子群を様々な手法によって同定し,その分子実態を具体的に捉えることを可能にした。その結果,実際には非常に多くの制御因子群が固有の活性を介して転写調節に寄与しており,核内受容体リガンドの多彩な生理作用を解明しつつある(表1)。

 われわれのグループでは,Yeast two hybrid法を利用して多くの転写共役因子の同定に成功してきたが,また同時に,転写因子を転写系でスクリーニングするといった原理的に避けられない限界も多かった(表2)。そこで本稿では,最近大きな成果を挙げ,特に注目を集めている生化学的精製に基づいた実験手法について紹介する。

参考文献

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2008(in press)
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24:3881-3894, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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