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特集 免疫学の最近の動向
腸管でのIgA生産を司るTNF/iNOS生産性樹状細胞とその作用機構
著者: 手塚裕之1 安部由紀子1 樗木俊聡1
所属機関: 1秋田大学大学院医学研究科生体防御学分野
ページ範囲:P.268 - P.274
文献購入ページに移動しかしながら,IgAの半減期(26.6時間)は他のアイソタイプよりも短い(IgGは280時間,IgMは35.4時間;ヒト)ことから2),粘膜ではIgA生産を効率的に誘導する機構や,それを維持する微小環境が構築されていることが予測される。その一つに腸内常在菌が挙げられる。事実,腸内常在菌叢を欠く無菌マウスでは分泌型IgA生産が著明に低下しており,また通常の常在菌叢をもつSPFマウスにおいて生理的に生産される分泌型IgAは腸内常在菌成分を認識する3)。しかしながら,IgA生産が粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue;MALT)で他のリンパ組織よりも選択的かつ効果的に誘導される分子機構の詳細は依然として不明である。われわれは,TNF/iNOS生産性樹状細胞(Tip-DC)がMALTや小腸粘膜固有層に多く存在しており,生理的なIgA生産誘導に重要な役割を担っていることを明らかにした4)。本稿では,粘膜Tip-DCによるIgA生産誘導機構について紹介したい。
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