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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻5号

2008年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 1.細胞生物学

細胞間接着装置タイトジャンクションと上皮透過性

著者: 岩本典子1 古瀬幹夫1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科細胞生物学分野

ページ範囲:P.336 - P.337

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●タイトジャンクションの構造

 多細胞動物にとって上皮の持つバリア機能は,生体の恒常性を維持するために極めて重要な働きを担っている。上皮細胞は極性を持ち,細胞同士の接着によって二次元,三次元の構造をなしている。タイトジャンクション(tight junction;TJ)は上皮細胞のもつ細胞間接着複合体のうち最も頂端部にある上皮間接着構造である。電子顕微鏡の観察ではTJは隣り合った細胞間の距離が0まで近づいていることから,上皮間接着を強固に保ち,バリアとして機能して頂端部と側底部のコンパートメントの維持を行っていると考えられてきた。TJに局在する分子としてclaudin,occludin,tricellulinなど複数の膜貫通タンパク質があるが,現在ではTJ strandの主要な構成成分はclaudinであることが明らかになっている。claudinは~23kDaの4回膜貫通タンパク質で遺伝子ファミリーを形成しており,現在少なくとも24種知られている。また,脊椎動物のTJに対応するものとして無脊椎動物のseptate junctionがあり,その構成成分のいくつかはclaudin-likeな分子であることから,細胞間のバリア機能を担う分子としてclaudinが進化的に保存されていることが示唆される。

参考文献

241:G275, 1981
16:181, 2006
68:403, 2006
(in press)
285:103, 1999
118:619, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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