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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻5号

2008年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 1.細胞生物学

SUMO修飾による核構造モジュレーションと細胞のがん化

著者: 宇和田淳介1 斉藤典子2 中尾光善2 斉藤寿仁1

所属機関: 1熊本大学大学院自然科学研究科生命科学講座 2熊本大学発生医学研究センター再建医学部門器官制御分野

ページ範囲:P.352 - P.353

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 SUMO(small ubiquitin related modifier)は,ユビキチン類似の構造を持つタンパク質で,ヒトにおいては少なくとも三つのパラログ(SUMO1-3)が存在する。SUMOはE1(活性化酵素),E2(結合酵素),E3(リガーゼ)による段階的反応により,別のタンパク質のリジン残基とSUMOのC末端がイソペプチド結合する。これをSUMO修飾と呼ぶ(図)1,2)。SUMO修飾は,脱SUMO化酵素SENPファミリーによって基質タンパク質から外すことも可能で,これにより基質タンパク質の機能を可逆的に制御できる。近年,SUMO1やE2酵素,SENPのノックアウトマウスやSUMO-E3の発現量の少ない(hypomorphic)マウスの解析から,核構造や染色体の動態制御にSUMO修飾が関わることが明らかとなりつつある。以下では,核内構造体の中で,PMLボディーPML(promyelocytic leulemia)と核膜孔,クロマチンに着目して,それぞれの構造体の制御とSUMO修飾の役割を,特に細胞のがん化に関連した最近の論文の中から解説する。

参考文献

8:947, 2007
8:948, 2007
10:547, 2008
133:103, 2008
281:23180, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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