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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻5号

2008年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 1.細胞生物学

中心体

著者: 大杉美穂1

所属機関: 1東京大学医科学研究所癌細胞シグナル分野

ページ範囲:P.372 - P.373

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 細胞内の微小管は,微小管形成中心(MTOC:microtubule organizing center)として機能する細胞内小器官やタンパク質複合体が重合核となり,重合が開始される。中心体は動物細胞における主要なMTOCである。中心体は植物細胞や多くの動物の卵細胞には存在しないが,動物体細細胞においてはすでに100年以上前に顕微鏡観察によりその存在が認知されていた細胞内小器官であり,微小管のマイナス端を固定することで微小管ネットワークの要として機能し,細胞極性,細胞や核の運動,細胞接着,分裂期の紡錘体形成などの制御に関与している。また,その数の異常は多くの癌細胞において悪性度との相関とともに報告されている。しかし,構造,複製機構,機能制御機構のいずれについても未解明の部分が多く,これからの研究課題の宝庫ともいえる。

参考文献

14:25-34, 2002
13:3235-3245, 2002
17:215-221, 2007
5:505-511, 2003
8:1095-1101, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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