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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻5号

2008年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 3.発生・分化・老化・再生医学

間葉系幹細胞の起源

著者: 梅澤明弘1

所属機関: 1国立成育医療センター研究所生殖医療研究部

ページ範囲:P.394 - P.395

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 間葉系細胞とは骨,軟骨,脂肪,骨格筋,真皮,靭帯,腱といった結合織細胞を総称しており,発生学的に沿軸中胚葉(paraxial mesoderm)由来の細胞である。1999年,ヒト間葉系幹細胞から骨,軟骨,脂肪に分化する多分化能を有する間葉系幹細胞を同定した報告をPittengerらが行った1)。また,この沿軸中胚葉(骨,軟骨,脂肪)の他に,心筋,平滑筋,血管内皮といった発生学的に臓側中胚葉(visceral mesoderm)由来の細胞があり,間葉系幹細胞のなかに臓側中胚葉にも分化できる幹細胞が見出された。またさらに,一部の間葉系幹細胞は神経上皮由来であることも明らかになった2)。間葉系幹細胞は分化能に応じて階層構造を形成しているものと考えられており,それぞれの分化段階の階層において造血系のような前駆細胞といった中間体としての同定が可能かどうかは不明である3)。このような間葉系幹細胞の供給源として,骨髄,臍帯血,臍帯,胎盤,月経血,子宮内膜,胎児,真皮,脂肪,末梢血などがあげられる。

参考文献

284:143-147, 1999
2)江良択実・他:蛋白核酸酵素 53:59-64,2008
3)桜田一洋,梅澤明弘:間葉系幹細胞と再生医学,わかる実験医学シリーズ「再生医学がわかる」,pp84-92,羊土社,東京,2002
4)梅澤明弘:実験医学 19:151-158,2001
2:83-92, 1974

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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