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文献概要
特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 5.神経科学
侵害刺激受容体
著者: 富永真琴1
所属機関: 1自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター細胞生理研究部門
ページ範囲:P.424 - P.425
文献購入ページに移動●侵害刺激受容体
痛みを惹起する侵害刺激は,温度刺激(熱刺激と冷刺激),化学刺激,機械刺激に大きく分けられ,侵害刺激を受容する陽イオンチャネルが報告されている。侵害刺激によって陽イオンが細胞内に流入し,神経細胞を脱分極させて電位作動性Na+チャネルの活性化から活動電位の発生をもたらすのである1)。また,K+チャネルの閉鎖も脱分極をもたらす。事実,ある種のK+チャネルが冷刺激によって閉鎖して脱分極から疼痛発生に関与することが報告されている。
侵害刺激を受容する陽イオンチャネルの多くは,TRP(transient receptor potential)スーパーファミリーに属する。TRPチャネルは6回の膜貫通領域を有するCa2+透過性の高いチャネルであり,TRPスーパーファミリーは哺乳類では大きくTRPC,TRPV,TRPM,TRPML,TRPP,TRPAの六つのサブファミリーに分けられている2)。
痛みを惹起する侵害刺激は,温度刺激(熱刺激と冷刺激),化学刺激,機械刺激に大きく分けられ,侵害刺激を受容する陽イオンチャネルが報告されている。侵害刺激によって陽イオンが細胞内に流入し,神経細胞を脱分極させて電位作動性Na+チャネルの活性化から活動電位の発生をもたらすのである1)。また,K+チャネルの閉鎖も脱分極をもたらす。事実,ある種のK+チャネルが冷刺激によって閉鎖して脱分極から疼痛発生に関与することが報告されている。
侵害刺激を受容する陽イオンチャネルの多くは,TRP(transient receptor potential)スーパーファミリーに属する。TRPチャネルは6回の膜貫通領域を有するCa2+透過性の高いチャネルであり,TRPスーパーファミリーは哺乳類では大きくTRPC,TRPV,TRPM,TRPML,TRPP,TRPAの六つのサブファミリーに分けられている2)。
参考文献
1)Tominaga M:Molecular Pain, pp247-263, Min Zhuo(ed), Higher Educational Press, Beijing, 2008
272:re3, 2005
3)富永真琴:医学のあゆみ 223:663,2007
1772:978, 2007
1772:989, 2007
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