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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻5号

2008年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 6.免疫学

ユビキチン化によるMHC class Ⅱの発現制御

著者: 松木洋平1

所属機関: 1理化学研究所免疫・アレルギー総合科学研究センター感染免疫応答研究チーム

ページ範囲:P.456 - P.458

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 近年,ウイルスのE3ユビキチンリガーゼとそれらの哺乳類における相同分子からなる新たなE3ユビキチンリガーゼファミリーが見出された。このファミリーメンバーはすべて,その中心に二つの膜貫通領域と,アミノ末端にE3ユビキチンリガーゼの触媒活性ドメインであるRINGv(really-interesting-new-gene-valiant)ドメインを持った膜結合型のE3ユビキチンリガーゼである。これらのE3ユビキチンリガーゼを過剰に発現させると,ユビキチン化によってターゲットとなる様々な細胞膜表面に存在するタンパク質の発現が減少する。このファミリーに属するMARCH-Ⅰと呼ばれるE3ユビキチンリガーゼが,抗原提示細胞からCD4 T細胞への抗原提示に必須の分子であるMHC class Ⅱ(MHCⅡ)をターゲットとすることが明らかとなった1)。抗原提示細胞が発現するMHCⅡの機能やその量に異常をきたすと,病原体を体内から効率よく排除できなくなり,重症な感染症となる。また,MHCⅡは自己免疫疾患の発症にも関連すると予想される。このことから,MARCH-ⅠはMHCⅡのユビキチン化を通じて発現量を制御し,免疫応答を調節していると考えられる。そこで,生体内におけるMHCⅡのユビキチン化による発現制御の分子メカニズムについてわれわれが得てきた知見を紹介し,その意義について考えたい。

参考文献

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278:14657, 2003
177:3493, 2006
207:191, 2005
7:971, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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