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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻5号

2008年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008 6.免疫学

TLR(Toll-like receptor)

著者: 柴田琢磨1 三宅健介1

所属機関: 1東京大学医科学研究所感染遺伝学分野

ページ範囲:P.466 - P.467

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 免疫システムは自己から非自己を見分けて排除する役割を担っており,多細胞生物が生命を維持するために必須のシステムである。全ての多細胞生物は免疫システムを有し,免疫システムは獲得免疫と自然免疫の両輪により構成される。獲得免疫は脊椎動物にのみ認められる免疫機構であるが,自然免疫は普遍的に多細胞生物に存在する免疫機構である。

 しかし,獲得免疫の研究が目覚しい発展を遂げる一方,自然免疫は非特異的な現象であるとして長らく顕著な研究の進展を見ることはなかった。1996年,獲得免疫系を持たないショウジョウバエのToll分子が真菌感染を感知していることが示され,その翌年にTollのホモログであるToll-like receptor(TLR)4がヒトでも発見された。この発見の後,ヒトで10種類(TLR1-TLR10),マウスで12種類(TLR1-TLR9,TLR11-TLR13)のTLRが次々に発見された。特にヒトとマウスに共通のTLR1-TLR9では早期にそれぞれに特異的なリガンドが判明し,これらTLRの研究を通して自然免疫が特異的な免疫応答であることが現在では広く認知されている。ここでは,TLRの分子メカニズムを中心にTLRを紹介したい。

参考文献

4:499, 2004
5:975, 2004
7:179, 2007
204:1035, 2007
314:308, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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