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文献詳細

雑誌文献

生体の科学59巻6号

2008年12月発行

文献概要

特集 mTORをめぐるシグナルタンパク

LKB1と神経細胞移動

著者: 深田吉孝1 浅田直之1

所属機関: 1東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻

ページ範囲:P.511 - P.515

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 大脳新皮質は記憶・認知などの高次脳機能を担う脳領域である。発生期において,大脳新皮質を構成する神経細胞は,脳室帯に存在する神経前駆細胞から非対称分裂によって生成する(図1)。生成した神経細胞は脳室帯から脳表面側へと放射状に移動し,中間帯を通過して皮質板内の最終目的地に到着する(図1)。移動を終えた神経細胞はその場で成熟し神経回路を形成する。こうした神経細胞の適切な移動と配置に基づいて秩序だった脳層構造が形成される。大脳新皮質の適切な層構造形成は正常な脳機能の発現や維持に不可欠であり,神経細胞移動に異常が起こると層構造が壊れ,脳の奇形や極めて重篤な神経・精神疾患が引き起こされる1)。近年,神経細胞移動に関与する分子の同定が進み,神経細胞移動を制御するメカニズムが明らかになりつつある。本稿では,LKB1と呼ばれるSer/Thrキナーゼが神経細胞移動に重要な役割を果たしているというわれわれの最近の研究成果2)を概説するとともに,神経細胞移動に関与するシグナル経路をLKB1を中心に紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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